
2025年6月12日
田住秀之さんのコラムが日本海新聞に掲載されました

いき〇メンバーの田住秀之さんのコラムが、日本海新聞2025年6月10日付の記事に掲載されました。
全文を紹介します。
田住さんが述べている「誰もが安心して生きられる社会を創るために、地域のウェルビーング向上に貢献していきたい」に、いき〇研究会もチャレンジしていきたいと思います!

ストレス社会といわれる現代において、「心の健康」は全ての世代にとって重要な課題です。近年注目される「ウェルビーング」は、個人の病気の予防にとどまらず、心身の調和や良好な人間関係、生活の満足感といった 持続的な幸福を意味し、取り巻く地域社会が幸せや豊かさを感じられる良い状態であることを含む概念として捉えられています。
不登校の児童生徒が2023年度に34万6千人を超え、その背景には社会とのつながりの希薄さや持続的な抑うつがあると指摘されています。高齢者においても、孤立や社会的役割の喪失が心の不調の一因となっています。
作業療法士は、こうした「心の健康」や「生活の質」に関係する課題に対し、食事や仕事、趣味、学習、社会活動など、日頃から人が生きる上で行うさまざまな「作業」を通じて、心の回復や生活の再構築を支援する専門職です。メンタルヘルスに関する情報提供や孤立を防ぐ居場所づくり、他者との関係構築を支える役割も担います。
近年では、こうした作業療法士の専門性が司法の現場にも広がっています。高齢化や障害のある受刑者に対し、生活スキルの再習得や認知機能訓練、作業活動を通じて心の健康を支え、円滑な社会復帰を促します。鳥取県でも刑務所への作業療法士導入が検討されており、地域連携による再犯防止支援が期待されています。
このように、作業療法は「作業」を通じて人々の主体性と社会性を育み、子どもから高齢者、そして社会から隔絶された立場の人々まで、それぞれのライフステージや環境に応 じて専門性をいかした支援をしています。今後も医療、福祉、教育、司法と連携し、誰もが安心して生きられる社会を創るために、地域のウェルビーング向上に貢献していきたいと思います。
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